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晶葉「私は君のことを誇りに思う」南条光「レッドに涙はいらない」

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1 :ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:23:38 ID:Rn2
・プロローグこの物語は小さな英雄の物語。一人の英雄が、一人の少女を取り戻す物語。その少女は、物語に呪われた少女。呪いを解くのに必要な物は、やはり物語。英雄の名は南条光。少女の名は池袋晶葉。物語の始まりは、みんなの事務所から。
2:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:26:31 ID:GLX
・第一幕「おはようございます!」扉が開くと、事務所の一室に少女の凛々しい声が響き渡る。彼女の名前は南条光。『ヒーロー』を目指す14歳のアイドルだ。デビュー後しばらくは伸び悩み、雌伏の時を過ごしていた。しかしついに飛躍のきっかけを得て、近頃は徐々に仕事が増えている。「おはよう、光!」「おはよう光、今日も元気だな。」「晶葉、もう来てたのか!レッスンまではまだ時間あるよね?」挨拶を返したのはプロデューサー、そして池袋晶葉。晶葉も光と同じく14歳のアイドルで、天才ロボ少女……を自称している。ロボットを作るのが好きなアイドルで、ステージ演出の企画を自ら行うこともある。役者としての仕事を多くこなしているが、光と比較して人気は伸び悩んでいる。
3:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:27:56 ID:GLX
「ちひろさん!おはようございます!」「あら、光ちゃん、おはようございます」少し後に小さな段ボール箱を抱えて部屋に入ってきたのは千川ちひろ。このアイドルプロダクションの事務員の一人で、今は光たちがいる部署を主に担当している。「ファンレター、いっぱい届いてますよ!」「うわあ、ホントだ!あ、晶葉にもいっぱい届いてる!」「プロデューサーさんと私で整理しますから、ちょっと待っててくださいね」このプロダクションでは、ファンレターは送付先のアイドルごとに分けられ、プロデューサーの手で確認したのちにアイドル本人の手に渡るようになっている。「うん、楽しみだ!ファンの声が直接届くのは、勇気になるから!」
4:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:31:23 ID:Rn2
各々がレッスンの準備やスケジュールを行い、少しの時間が経過した後。「光ちゃん、晶葉ちゃん、ファンレターの確認が終わりましたから、持っていってくださいね」「ありがとう!さっき見たときよりちょっと減ってる気がするけど、プロデューサーやちひろさんが取り除いてるのってどういうやつなんだ?」「そうですね、光ちゃんは人気が出てきましたし、トラブルを避けるためにもう一度しっかり説明しておいた方がいいですよね」ちひろはプロデューサーに軽く確認を取り、事務員としての真面目な表情でファンレターに紛れて届く通称『不幸の手紙』について説明をした。光は軽い気持ちで訊ねた様子だったが、居住まいを正しまっすぐちひろの目を見て説明を聞いていた。「……宗教の勧誘とかならまだいいんですが、子供に見せちゃいけないようなお手紙も届くことがありますからね。だからこういった説明も私のような女性が行うべきとしています。」事務所の方針で決まっていますから、とプロデューサーに軽く目配せをして、ちひろは短い説明を終えた。
5:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:32:26 ID:Rn2
「そうか……正義の心を持った人だけじゃないってことだな……」南条は理解できたのかどうか曖昧な表情をしていたが、説明が終わると何かに納得した様子で頷いた。そして、次はあることに気が付いた。「晶葉へのファンレター、朝見たときはアタシと同じくらいあった気がするんだけど……」やや離れた位置のソファに座ってファンレターを読んでいた晶葉の方をちらりと見て、ちひろに小声で問いかけた。少し、悲しそうな声で。「晶葉ちゃんについては……どうします?プロデューサーさん」ちひろは判断をプロデューサーに委ねた。このことについて光に話すかどうかは今後のプロデュースにも影響するであろうと考えたからだ。そして、説明を行うにしてもプロデューサーの口からであるべきだと、既に確認をしていた。プロデューサーも、訊かれたのならごまかすべきではないと決断した。いずれ避けられないことであると。そして、プロデューサーとして、光に伝えた。池袋晶葉は演技の仕事を多くしていること。悪役を多く演じていること。演じた悪役に対する嫌がらせが晶葉に届くこと。
6:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:33:21 ID:Rn2
悪役を演じた俳優に対する嫌がらせは決して珍しい出来事ではない。かつては舞台上にいる悪役の演者に対して客席から銃撃が行われた例もある。テレビの時代になってヒット作は多くの人の目に留まるようになれば、その数が増えるのは当然のことだった。しかし、それにしても池袋晶葉は悪役ばかりを数多く演じすぎた。さらに、晶葉自身の知名度がさほど高くないことで、悪役以外のイメージが希薄であったことも影響した。守る者が居ない。手紙を通して届く物ならばプロデューサーの所で止められる。だが、直接彼女に届く攻撃を防ぐのは困難だ。まして晶葉はプロダクションを代表するようなアイドルではない。
7:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:34:58 ID:Rn2
南条光は少なからずショックを受けているようだった。「そのことを、晶葉は……」「当然、知っている。」途中から話を聞いていたのか、晶葉がいつの間にか光の後ろに立っていた。「そういった行為はファンレターを装って私のもとに来るものばかりではないからな。」「晶葉は、平気なのかっ!?そんな悪意をぶつけられて……アイドルはみんなに認められ、愛されるものじゃなかったのか!?」「当然、最初から覚悟していた!」晶葉はいつものように両手を腰に、胸を張り、自信に満ちた振る舞いで答えた。
8:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:35:28 ID:Rn2
「まあ、多少思っていたより多くてちょっと驚いてはいるが、それもプロデューサーが頑張って知名度を上げてくれたおかげだ!」「でも、アタシは、晶葉が困っているなら助ける!アタシはヒーローになりたい。それは晶葉にとってのヒーローにも!」「いや、それはだめだ。」「どうして!」「私にぶつけられているのは悪意なんかじゃない。」その一言で、光は気が付いた。晶葉が今までこのことを光にあえて言わなかった理由に。「れっきとした、正義感だ。」光は何も答えない。「科学というのはいつも悪役だからな。」光は簡単に答えを出してはいけないと感じ取っていた。この問題は何度となくヒーロー物の作品のテーマとなってきた。ギャグで済ませられることすらあった。根本的な解決はできない問題だ。正義とは即ち不寛容でもあり、何を正とするかは力を揮うものに委ねられてしまう。「だから私は正義も悪も気にしない。私が信じるように行動するだけだ。」
9:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:36:39 ID:Rn2
池袋晶葉という少女はこれまでずっと『正義』の力による攻撃を受けていたというのに、南条光という正義を愛する少女と友人でいたのだ。「だが、それでも私は諦められなかったから。」晶葉の目は決して絶望になど染まっていない。「科学を、技術を、ロボットを、悪だと断じる世の中を変えようと思っている。」光は考えていた。アタシは誰もが正義の心を持てば世界は幸せに満ちると思っていた。でも、それじゃあ足りなかったんだ。今のアタシには、前よりも力がある。使える物もある。光は決意を固めた。「プロデューサー!今度のミニライブのツアーに晶葉もつれていくことはできるかっ!?」「待て、光。私の仕事を増やそうとしてくれるのは嬉しいが、これは私の問題だ。光が気に病む必要ないんだぞ」「晶葉、アタシはヒーローになるんだ。ヒーローなら仲間を助けるだろ?それに、アタシは……ヒーローが悪役を産んでしまったことに、責任を取りたいんだ。」
10:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:37:01 ID:Rn2
かくして、光のミニライブツアーには晶葉を含めて複数のアイドルが帯同することとなった。プロデューサーにとっても売れ出したばかりの南条光ばかりに負担をかけるわけにはいかない。そのため抱き合わせのような形で他のアイドルを売り込むことは考えられていたようで、光と共に晶葉を売り出すことに問題は生じなかった。まして、光が自身で望んだこととあれば。
11:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:37:48 ID:Rn2
ミニライブツアーでは演劇を行うことも決まった。以前のライブイベントで行ったヒーローショーが好評だったため、持ち歌の少ない光にとっては代わりとなる大きな武器となっている。しかし、大きな予算を組めないためプロのシナリオライターに依頼を出すことはできない。やはりこれも以前のように、南条光によるオリジナルストーリーのヒーローショーとなる。「うん、また台本は自分で用意するんだ。大丈夫、もう晶葉と話をしておおまかな形はできてるんだ。アタシがレッドで、晶葉がブルーだ。悪役は必要ない。」光はよれたコピー用紙の束を取り出しつつプロデューサーと会話をする。一番上の紙には大きく『初稿』と書かれていた。おそらく晶葉が印刷したのであろう台本に、光の文字で沢山の書き込みがされていた。
12:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:38:16 ID:Rn2
「これはオマージュってやつだ。元になる話がある。前にやったのとは違って、今度は変身ヒーローじゃない。そして、結末は変えないといけない。」光の目はいつにも増して輝いている。ヒーローのこと。晶葉のこと。物語のこと。いつもは直情的な方である南条光は、必死に頭を働かせている。「ヒーローの意味。戦う意味。そして、人を助ける意味。そうだ、ヒーローの物語はただ悪を挫くだけの話じゃない。ずっと、ずっとそうだった。」ああ、そうだ。光が輝くのはヒーローになる時。誰かを助ける時。ヒーローとして誰かを助ける時。今の光は間違いなく英雄だ。「今回は子供たちのためのヒーローショーじゃない。だから、あの時にできなかったこともできる。書き上げるのは大変だけど……自分でストーリーを考えるようになって、自分で演じられるようになって、テレビで観るヒーローがますます魅力的に見えるようになったんだ。」光の目に決意が輝く。もうヒーローは追いかけるだけの存在じゃない。
13:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:38:49 ID:Rn2
光と晶葉は台本を書き進め、並行してレッスンも進めた。「晶葉以外のアイドルは、毎回は来られないらしい!ヒーローショーの出番は少なめにして、メンバーに応じてセリフも変えられるようにしよう!」「ステージの広さや形は場所によって違うだろう?演出にもいくつかパターンが必要だな。」「このセリフはちゃんと伝わるかな?いや、もっといいセリフ回しにできるはずだ!考えないと!」「アクションはあまり経験がないから、光についていくのが大変だ……!もっとちゃんとトレーニングしないと……」本番が近づくにつれ、完成度は徐々に上がっていく。小さな舞台。だが、世界を変えようとする第一歩。光はヒーローになり、ヒーローの魅力を広めるために。晶葉は自らの価値を証明し、科学の魅力を、ロボットの魅力を広めるために。そして、悪役というイメージを少しだけ変えるために。
14:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:40:50 ID:Rn2
・第二幕これは彼女たちが演じた数多くの舞台の一つ。幕開けの時間。暗い舞台の上。その中央。センター。ゼロポジション。南条光は軽く俯き、目を閉じ、拳を強く握り締めた。目を開き、顔を上げ、右足を一歩踏み出す。これを合図にスポットライトが点灯した。拳を高く掲げる。物語が起動した。南条光は独白を始める。光「この物語はハッピーエンドだ。これはアタシが主役の物語だから!大団円を!ハッピーエンドを!この手で掴み取るっ!」南条光は観客に語り掛ける。光「そう、この物語はヒーローの物語。悪しきを挫き、弱きを助けるヒーロー!なんて素晴らしい物だろう!」南条光は演者となる。光「アタシは山奥に暮らしていた赤鬼、レッドだ。ヒーローの素晴らしさを皆に広めたい!そして自分も、この力を皆のために使いたい!そう思ったんだ」
15:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:42:17 ID:Rn2
舞台に明かりが灯る。背景には山道。光「そうだ、まずはアタシのことを皆に知ってもらわないといけない。皆の通る山道に看板を立てよう。自己紹介のポスターを貼ろう。自分をプロデュースするんだ!」『レッドはヒーローを目指す心優しい赤鬼です。どなたでもおいでください。困ったことがあればお助けします。』光「これで完璧だ!あとは、ヒーローが好きな人と友達になりたいな!」『レッドはヒーローを愛しています。ヒーローが好きな人は一緒に語り合いましょう』光「この二つがあれば十分だろう!さあ、あとはこれを見た人が来るのを待つだけだ!」レッドは舞台袖に退場する。
16:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:43:33 ID:Rn2
舞台の上手から町人が二人登場する。紗南「おや、こんなところに看板ができてる」麗奈「誰かが勝手に立てたの?邪魔ね!」紗南「ポスターが貼ってある。なんだろう?えーと、ヒーローを目指す赤鬼?」麗奈「鬼がヒーロー?いかにも怪しいわね。誘い出された人間を襲おうって魂胆かしら」紗南「そうだなあ。気にはなるけど、ヒーローは語れるほどじゃないし、鬼には勝てないからね。危ないから近寄らない方がいいよね」二人の町人はそのまま舞台の下手へと消えてゆく。
17:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:44:43 ID:Rn2
誰もいなくなった舞台にレッドが再び現れる。光「ああ、なんてことだ!だれ一人アタシの所に来ない。皆アタシを信用しないし、ヒーローの良さも伝えられない!」レッドは悲しみと悔しさに苛まれ、看板を壊してしまう。光「アタシの力はこんなことに使うんじゃない、ヒーローになるために使うんだ……でも、どうしたら……」舞台の下手からブルーが登場する。晶葉「どうした、レッド。何か困っているようだが、言えることならば相談にのるぞ。」光「ブルー!恥ずかしいところを見られてしまったな。でもちょうどよかった。アタシはヒーローになりたい。だから、看板を立てて、ポスターを貼ったんだ。困っていることがあれば助ける!って」
18:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:45:51 ID:Rn2
晶葉「なるほど。皆にヒーローとして知ってもらい、活躍の機会を求めようとしたのだな」光「そうだ。でも、ポスターを見た人は誰も信じてくれなかった。アタシが鬼だから!きっと人間を襲うための看板なんだって!」晶葉「そうか……それは悔しいだろう。信じてもらえないことは悲しいことだ。私がもっと良い手段を考えられればいいのだが……うむ、一つだけ」光「なにか名案があるのかっ!?」晶葉「信じてもらえないのは実績が無いからだ。ならば、作ればよい」光「どうやって?アタシ達は鬼だから、こちらから近づけば人間は逃げてしまう」晶葉「そう、人間は鬼を怖がっている。だから、私が人間を襲い、レッドが私から人間を助ければ良い」光「それは!確かに名案だ……でも、ブルーはますます怖がられてしまうだろう?」晶葉「なに、科学者とは怖がられてるもの。人間は知らない物を恐れる。今更多少の悪評など関係ないさ!さあ今すぐ町へ向かおう。思い立ったが吉日と言うだろう?」レッドを引っ張るようにブルーが舞台の下手へ退場する。
19:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:47:08 ID:Rn2
背景は町に変わり、上手から町人が二人、下手からブルーが登場する。晶葉「お前を実験台にしてやる!科学の発展に犠牲はつきものなのだ!」紗南「うわあ!青鬼だ!」麗奈「ちょっと、なんでこんな所に!?ああもう、逃げられない!」レッドが下手から登場して、町人の前に立ちふさがる。光「そこまでだっ!罪もない人々に危害を加えるなど許せない!闇打ち払う正義の鬼!レッド、ただいま参上!」晶葉「ええい邪魔をするな!お前も鬼なら、人間に迫害された恨みがあるだろう!」光「そんなことは関係ないっ!アタシはヒーローだからっ!皆を助けるんだ!」紗南「ヒーローだ!赤鬼がヒーローになって助けてくれた!」麗奈「へえ、鬼のくせに、やるじゃない!」晶葉「ふん、ならば一緒に実験台になってもらうだけだ!行け、誘拐ロボ!」光「オーガパンチ!オーガキック!アタシの力があれば、小さなロボくらい簡単に吹き飛ばせる!」
20:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:48:00 ID:Rn2
晶葉「ふふん、ならばこれはどうかな?弱体スイッチ!」光「うっ!なんだ!?急に力が出なく……」晶葉「どうだ私の発明は!ヒーローの力もそこまでか。さあ、とどめを刺そうか」麗奈「ちょっと!?赤鬼がピンチになってるじゃないの!」紗南「頼む、赤鬼だけが……ヒーローのレッドだけが頼りなんだ!頑張れ!レッド!」麗奈「頑張って、レッド!」光「皆が応援してくれてる……!力がみなぎってきたっ!」晶葉「なんだと!?こんな力がいったいどこに!」光「これが皆を守る力だっ!必殺!ジャスティスオーガアタック!!」晶葉「うわーっ!なんて力だ!ヒーローさえいなければ……おぼえてろ~!」ブルーが下手へ退場する。
21:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:48:28 ID:Rn2
紗南「ありがとう、赤鬼……いや、レッド。あなたのこと、鬼だからって避けてたけど、いい鬼もいるんだね!」麗奈「フン、悪くないじゃない……ありがとう。でもまたあの青鬼が来るかもしれないじゃない。アンタ、いつでも来られる場所に住みなさいよ!」紗南「うん、それがいい!あたしが皆に、ヒーローの活躍を広めてあげる!そうすれば、皆レッドを受け入れてくれるよ!」光「皆、ありがとう!たくさん、友達を作りたいな……!」紗南「できるよ!まずはあたしと友達になろう!」町人二人とレッドが舞台上手へ退場する。
22:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:49:12 ID:Rn2
暗くなった舞台にレッドが上手から登場する。光「無事に計画は成功した。たくさんの人間の友達もできた。でも、ブルーはどうしているだろう?あれ以来、ずっと会えていない。直接家に向かってみよう」レッドが下手へ退場する。
23:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:50:26 ID:Rn2
背景は山奥、青鬼の家。上手からレッドが登場。光「ブルーの家に来たけれど……おかしい、静かすぎる。ブルー!博士!久しぶりに遊びにきたぞ!また面白いロボット、作ってるんだろう!……あれ、扉に何か貼ってある……」晶葉『レッド、無事に人々に受け入れてもらえたようだな。私は君のことを誇りに思う。私と君の仲が良いことがバレれば、また君が悪い鬼だと思われるだろう。だから私は旅に出ることにした。君は君の思うヒーローとして、活躍を続けて欲しい。夜更かしはほどほどに。さようなら、ブルーより』光「ブルー……!アタシは、ブルーを追い出すつもりなんてなかったのに!独りだったアタシの友達になってくれた、ブルー!」
24:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:51:20 ID:Rn2
幕が下りる。
25:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:51:59 ID:Rn2
・第三幕原典ではここで閉じる物語。光「ここで話を終わらせはしないっ!泣いて立ち止まったりしないっ!レッドに涙はいらないんだっ!」これはヒーローの物語。光「ブルーの旅ならたくさんの荷物があるはずだっ。だから、車輪の跡……いや、ブルーなら、無限軌道の跡が残っているはず!今なら間に合うかもしれない!」レッドは舞台下手へ走って退場する。舞台は最終局面へ。
26:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:52:48 ID:Rn2
光「追いついたっ……!」舞台の下手からブルーが登場し、舞台の上手からレッドが登場する。光「ブルー!アタシを置いて、黙って旅に出てしまうなんて!」晶葉「レッド、作戦は上手くいったんだろう?なら、君はもう鬼じゃない。立派なヒーローだ!」光「どうして笑ってるんだ……アタシと友達になったとき、やっと孤独から解放されるって喜んでた!なのに、また孤独になるってのに、何で、どうして……!」 晶葉「もとより私は鬼。爪弾き者。鬼だから爪弾きにされるのではない。爪弾き者が鬼と呼ばれるのだ」光「だからって……!」 晶葉「それは光、君も同じだ。爪弾き者を人気者にする、素晴らしいことだろう。たった私一人が消えるだけでそれを成し遂げられるのなら、価値のないもので価値あるものを生み出せるのなら!」光「ブルー……いや、晶葉、それはっ……!」晶葉「それができたのなら、初めて、私が生まれてきたことを許されるかもしれないだろう」光「許されるとか許されないとかじゃないっ!ダメだっ!それじゃダメなんだっ!アタシには晶葉がいなくちゃ……」 晶葉「何を言っている。今のレッドには、たくさんの友が、仲間がいるじゃないか。何も心配することはない。」光「違う、ちがうんだ、アタシは……ああ、どこでアタシは間違えたっ……!」
27:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:53:32 ID:Rn2
晶葉「さあ、レッドは皆の所に戻るんだ。悪役と仲良く話しているところなど、決して見られてはいけないだろう?」 光「アタシはどうすればいい!青鬼を連れ戻せば、それは全員に対する裏切りだ。でもアタシは晶葉を見捨てることなんてできない!」晶葉「私には機械仕掛けの神を創り出すほどの才能はない。でもレッドは違う!皆を幸せにするために、町へ戻るんだ!」 光「そうだ!アタシは皆の幸せを守るヒーローになった!その皆の中には晶葉も含まれているんだ!都合のいい結末だって構わない!ヒーローはハッピーエンドを生み出す者だっ!」
28:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:54:57 ID:Rn2
光「ブルー!アタシはブルーを無理矢理にだって連れ戻す!」晶葉「君は私に構わず、救いを求めている人の所へ行くべきだ」光「ブルーだって、いや、晶葉だって救いを必要としているだろう!」晶葉「私は助けを求めていない」光「それでもアタシは晶葉を助けたいっ!」晶葉「それは君のエゴだろう」光「エゴだって構わない!正義はエゴだっ!アタシは人を助けたいというエゴのためにヒーローになったんだ!」晶葉「連れ戻した後はどうするつもりだ」光「皆を説得する!新しい仲間として紹介する!」晶葉「できると思うのか」光「できる!やってやる!絶対にっ!」
29:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:57:04 ID:Rn2
晶葉「説得とは言えないくらいの強引な引き留めだな」光「アタシは絶対に折れない!だってアタシはヒーローだから!」晶葉「そうか、うん、私の負けだ」光「それならっ……!」晶葉「一緒に帰ろう。受け入れてもらうため、私もまた知恵を絞らねばなるまい」光「よかった……そうだ、ブルーもヒーローになればいい!ブルーの知恵があれば、アタシだって戦力アップだっ!」晶葉「気が早いな……まだ私が受け入れてもらえるかも判らないというのに」光「絶対にできるさ。いや、できるまで説得を続けるんだ!」
30:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)02:57:23 ID:Rn2
レッドとブルーは連れ立って舞台の上手へ退場する。今度こそ、この物語は終幕を迎えた。幕を下ろした後の舞台がどうなるのかは誰にも知らない。だが、ヒーローたちの今後の活躍は疑いのない事だろう。
31:ovkeuV2NPI:19/04/22(月)03:07:11 ID:Rn2
おしまい。思いついた物をどんどん放り込んでいったらやたら長くなってしまいました。これでもだいぶ短く削ったつもりだったのですが。読んでくださった方はありがとうございます。前回の総選挙で南条光に声を付けた光Pの頑張りを見て、次は池袋晶葉を、ということで1票だけでも池袋晶葉に票をくださればと思います。
32:名無しさん@おーぷん:19/04/26(金)22:45:23 ID:mJu
中間ランクインおめ
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晶葉「私は君のことを誇りに思う」南条光「レッドに涙はいらない」