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[デレマスss]REVENGE!

1名無しさん@おーぷん:2018/09/30(日)17:52:56 ID:lxZ()
9月26日にpixivで投稿し始めた長編シリーズです。書き溜めはなく、時間がある時に少しずつ書いていく予定なのでかなり遅い更新になると思います。
2名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)17:57:07 ID:lxZ()
>>1の書き忘れです。
業界最王手プロダクションをクビになったPが新しい事務所で、新しいアイドル達と一緒に成り上がっていく話です。

某事務所独立ssにかなり影響を受けています。
3名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)17:57:26 ID:lxZ()
P(俺はアイドル事務所最大手、シンデレラプロダクションのプロデューサー。入社してから数年経って担当アイドルがそれなりにブレイクし、上司からの評価も最近上がってきた感じだ。)

--シンデレラプロダクション、Pの仕事場
P「おはようございます、ちひろさん」ガチャ

ちひろ「おはようございます」

藍子「おはようございます、Pさん」

P「おっ、藍子もう来てたのか。おはよう。今日はいつもより早いな。レッスンだけだったよな?」

藍子「はいっ。今日は天気が良かったので、早めに家を出てお散歩しながら来たんです。そしたら早く来すぎちゃって」

P「そういうことか。ここに来る間に本田さんと日野さんを見かけたから探してみたらどうだ?」

藍子「二人とももう来てたんですね。それならレッスンまで少しお話ししてきます。Pさんとちひろさんも頑張ってくださいっ」

P、ちひろ「行ってらっしゃい」

ちひろ「そういえばPさん、部長が話があるから出社し次第部長室に来てほしいって言ってましたよ。深刻そうな顔をしてたので何かあったのかもしれません」

P「なんですかね、問題を起こした記憶はないんですけど...」

ちひろ「まあ、行ってみたら分かりますよ」

P「そんな他人事だと思って...。まあ、確かにそうですね。行ってきます」
4名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)17:58:52 ID:lxZ()
--シンデレラプロダクション、部長室
P「失礼します、Pです。部長、千川さんに話があると聞いたのですが、何でしょうか」

部長「何って君、自覚はないのかね!君には期待していたというのに...」

P「なんのことですか、部長?」

部長「数日前の夜中週刊誌の記者から私に電話がかかってきたんだ。話を聞くと、高森君と君が車でホテル街に入っていく写真を撮ったらしい」

P「まさか!自分はそのようなことは決してしていません!」

部長「私も最初はデマだと思っていたよ。だが昨日、私宛にその写真が送られてきたのだよ。これがその写真だ」バンッ

P「なんですかこの写真!こんなのは記憶にありませんし、そもそも高森を仕事以外で連れ回したこともないです!スキャンダルで高森を落ちぶれさせるための罠としか考えられません!」

部長「罠だったとして、一体誰がこの写真を作ったというんだね。合成だとしたら君と高森君が一緒にいるところを撮らなければならない」

部長「おそらく現場に向かう途中を狙うだろうが、変装して車に乗った彼女をすぐに見つけて撮るなんてプロでも簡単にできることじゃないぞ」

部長「そもそもそんな手間なことをしたところで、出版社が何の得をするっていうんだね」
5名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)17:59:32 ID:lxZ()
P「それはそうかも知れないですけど...。でも自分は本当にやってないんです!」

部長「やったかやってないかは問題じゃない!スキャンダル写真が向こうにあるというのが問題なんだ!」

部長「君にはこの責任を取って今日限りで辞めてもらうことになった。いきなりクビを切ることは出来ないから自主退職扱いだが」

P「そんな!部長!こんな写真合成に決まっています!鑑定士か何かに出せばすぐに分かることじゃないですか!」

部長「既に週刊誌側には口止め料を振り込んでいる。すぐにでも振り込まないと表に出すと言われたんでな。その上で鑑定士に出してもし本物だった場合、損失がさらに大きくなる」

部長「多くのアイドルを抱えるシンデレラプロダクションとしては一人のアイドルだけを特別扱いして予算を割り当てるわけにはいかないんだ」

P「そんな...。そうだ!高森はどうなるんです!まさか、引退なんてさせないですよね!?」

部長「安心したまえ。高森君は今やシンデレラプロダクションに不可欠のアイドルだ。辞めさせるなんてことはしない。高森君には別の優秀なプロデューサーをつける。君は高森君の身代わりになると思ってくれ」

P「よかった...。でも高森と千川さんと三人でここまできたんです!それが崩れてしまっては高森も今まで通りできるとは限りません!」

部長「確かにそうだ。だから次のプロデューサーには君の同期から選ばせてもらった。年齢も近く、君のことをよく知っている人なら他の人よりも上手くいくはずだ」

P「俺は辞めるなんて言ってないですよ!なんで勝手に代わりのプロデューサーが決まっているんですか!その写真が偽物だって分かれば辞めなくてもいいですよね?だったら自費で鑑定士に頼みます。それまで少し待って下さい!」

部長「それは出来ないな。君のクビはもう会議で決まったことだ。それを撤回することは私の独断では出来ない」

部長「それに鑑定に出している間、高森君にこのことが知れたら精神的なダメージを受けるかもしれない。だから出来るだけ早く辞めてほしいのだよ。高森君がレッスンに行っている間に全ての荷物を持ってここを出て行ってくれ」

部長「退職理由については私から適当に話しておく。最後の挨拶をしようとか余計なことを考えるんじゃないぞ。まあ千川君にするぐらいなら問題ないと思うが」

部長「おっともうこんな時間になってしまったか、私はこれから接待があるから行かせてもらうよ」

P「あっ、ちょっと部長!まだ話は終わって
」バタン

P「...」
6名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:00:14 ID:lxZ()
--シンデレラプロダクション部長室前廊下
P「...」ガチャッ

同僚P「ようP、どうした、スキャンダルがバレてクビ切られたような顔しやがって」ニヤニヤ

P「...まさかお前があの写真を!」

同僚P「俺は何もしてないさ。ただ知り合いの記者にホテル街に入る車の写真とお前ら二人が車で現場に向かう写真を渡して合成してもらっただけだ」

P(変装してたのにシャッターチャンスが短くて難しい写真を撮ることが出来たのは、事務所を出る前からつけられていたからだったのか...)

P「何故こんなことをしたんだ!藍子はお前に何もしてないだろう!」

同僚P「俺の目的は高森の没落じゃない。お前のクビだ。同期に評価の高いお前がいると俺の出世が遅れるんだよ。大した能力もないくせに運だけで金の卵を担当アイドルにもらいやがって」

P「まさか、藍子のプロデューサーの後任って...」

同僚P「ああ、俺だ。実行に移す前に部長に媚びを売っといて正解だったぜ」

P「こんなことが部長に知れたら、ただじゃ済まないぞ!」

同僚P「そうかな?問題を起こしたお前と今の俺、より部長に信頼されているのは俺の方だ。お前が部長にチクったところで、言い訳して人に擦りつけてるようにしか思われないだろうな」

P「お前...そんな汚いことしてまで出世したいのかよ!自分の担当アイドルが悲しむとは思わないのか!?」

同僚P「バレなけりゃいい話だ。そもそも芸能界なんて汚いことは常套手段だろう。この程度で汚いとかいう甘い考えを持ってるんじゃこんな計画なしでも俺が先に出世してたかもな」

同僚P「この話はここまでだ。俺は無職様と違って仕事があって忙しいんでな」スタスタ
7名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:00:42 ID:lxZ()
--シンデレラプロダクション部長室前廊下の物陰
ちひろ(なんの話か盗み聞きしようと思って部長室前まで来たら、なんか凄いことになってました。どうしましょう)

ちひろ(あっ、同僚Pがこっちに来ます!どうか気づかないで!)

同僚P「...」チラッ

ちひろ「...なんかこっち見られたような気がしましたけどセーフですよね。Pさんにバレないうちに早く部屋にもどらないと!」
8名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:01:03 ID:lxZ()
--シンデレラプロダクション、Pの仕事場
P「戻りました」

ちひろ「あっ...お帰りなさい。えっと、あのー...」

ちひろ(どうしましょう、何の話か聞くのが自然でしょうけど、内容知ってるだけに聞けません...)

P「俺、今日限りでクビみたいです」

ちひろ「へっ!?」

P「ちひろさんも異動になるでしょうから
荷物とか整理しておいた方がいいですよ」

ちひろ「ちょっ、ちょっと待って下さい!実は私さっきまでの話全部聞いてたんです!あんな理不尽なのないですよ!私も一緒に部長に掛け合いますから!」

P「そういう訳にはいきませんよ。奴の言った通り今の俺が部長に話に行っても悪印象なだけです。それにちひろさんも加わってしまえばちひろさんの今後にも影響が出ます」

P「奴はやり方は汚いですが実力は確かですし、無駄に長引いて藍子に知られるよりはよっぽどいいです」

ちひろ「そんな...じゃあ私だけでも部長と話してきます!」バタン

P「無駄だと思うけどな...。とにかく、藍子のレッスンが終わる前に荷物整理して帰らないと」
9名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:01:34 ID:lxZ()
-- 数日後、 P自宅
P「はぁ...落ち込んでいても仕方ないし、そろそろハローワークでも行くかなぁ」

ピンポ-ン

P「こんな時間にお客さん?通販で何か買った記憶は無いな...どうせ新聞屋だろ」ガチャッ

P「はい、新聞はとらないって何回も...って、え!?ちひろさん!?どうしたんですか、こんな時間に!?」

ちひろ「私もクビになりました。知らない間に会社のお金を横領していたらしいですよ、私。全く汚いやり方ですね...」

P「ちひろさんがあの話を知ってることが奴に知れたんでしょうね。とりあえずこんなところじゃ何なんで入りますか?」

ちひろ「はい。失礼します」

P「そういえば、なんでちひろさんが俺の部屋を知ってるんですか?教えた記憶ないんですけど...」

ちひろ「クビって言われたすぐ後に Pさんの名簿を探したんです。あそこには住所書かれてますからね。いきなり押しかけてすいません」

P「いや、別に問題ないんですけど、そこまでして俺の家に来たのは何でですか?」

ちひろ「そうだ、本題に入るの忘れてましたね。でも、その前に Pさん、確認なんですが、まだ再就職先決まってないですよね?」

P「決まってない前提で話されるのはちょっと傷つきますね、まあ決まってないんですけど...。ていうかクビになってからやる気出なくて探してもいないです。今日から探そうと思ってたんですけど...」

ちひろ「よかった、ギリギリセーフですね。Pさん、」

ちひろ「新しくプロダクションを作りませんか?」
10名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:02:09 ID:lxZ()
P「え?どういうことですか?」

ちひろ「私の両親が東京にビルの空き部屋を持ってたんです。そこを譲ってもらって、新しくアイドルをスカウトして二人で事務所作りませんか、ってことです」

P「でもどうしていきなりそんなこと言い出したんですか?ちひろさんなら他の就職先なんていくらでも見つかるでしょう?」

ちひろ「私こう見えて結構アシスタントの仕事好きだったんですよね。アイドル達がステージで輝くお手伝いをするなんて素敵じゃないですか。その好きな仕事を理不尽に取り上げられたんです。まだやりたいって思うのは当然じゃないですか?」

P「だったら他の事務所に行けば良くないですか?ちひろさんならすぐに活躍できますよ」

ちひろ「それも考えましたけど、デレプロより大きい事務所なんて現状ないですからね。だったらPさんに手伝ってもらってそういう事務所をつくろうと思ったんです」

P「デレプロより大きな事務所って、どれだけ時間がかかると思ってるんですか?」

ちひろ「簡単なことですよ。ライブバトルでデレプロに勝てばいいんです。実力があることの証明になりますし、評判も上がります」

P「確かにそうでしょうけど、たとえ新事務所を建てたしてもそんなできたての弱小プロがデレプロと戦う機会なんて年に一回だけのライブバトルフェスティバルしかないですよ。それも予選を通過しなきゃいけませんし...」

ちひろ「通過すればいいんですよ。Pさんは最高のアイドルの卵を見つけて育てる。私はそのアシスタントをする。さらにデレプロでのノウハウを生かせばどうにかなりますよ」

ちひろ「それから、私のやりたいことがどんなに非現実的だとしてもそれはPさんがこの誘いを断る理由にはなりませんよね。大事なのは私の気持ちではなくPさんの気持ちですから。Pさんはもうプロデュースしたくないんですか?」

P「そう聞かれると弱いですね...確かに俺もあんな終わり方をするのは嫌でしたけど...」

ちひろ「それならいいじゃないですか!私と、新しいアイドル達と、やりきれなかったこと全部やりましょう!」

P「...分かりました!そこまで言うなら俺にも協力させて下さい!」

ちひろ「そう言ってくれると思ってました!じゃあ早速事務所設立の準備を始めましょう!」
11名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:03:45 ID:lxZ()
--数ヶ月後、東京のとあるビルの部屋
P「よし、やっと諸々の手続きも終わってやっとアイドル事務所みたいなことができますね」

ちひろ「そうですね。でもやらなきゃいけないことはまだたくさんありますよ。何からやりましょうか...」

P「とりあえずちひろさんはこの事務所のホームページを作ってください。あとそこにオーディション実施のお知らせをお願いします。俺はとりあえずスカウトしてきます」

ちひろ「分かりました。オーディションの詳細はどうします?」

P「特に制限は設けないほうがいいですかね。そもそもの認知度がほぼ皆無な事務所なのでそこまで多くの応募があるとは思えませんから」

ちひろ「なるほど、確かにそうですね。じゃあこっちはやっておくのでスカウト頑張って下さい!」

ちひろ「あっそうだ、この事務所の名前、どうしますか?」

P「そういえば何も考えてませんでしたね。ちひろさん何か思いつかないですか?」

ちひろ「そうですね...。やっぱりアイドル事務所ですから、星に関係するのがいいんじゃないですか?」

P「星ですか...じゃあスピカにしませんか?確か乙女座のα星で、一等星だったと思います」

ちひろ「なるほど!数ある乙女の中で一番輝く星になるってことですね?いいじゃないですか!」

P「ありがとうございます。じゃあ、俺たちの新事務所はスピカプロダクションということで行きましょう!」

P「それじゃあスカウト行ってきます!お互いに頑張りましょう!」
12名無しさん@おーぷん :2018/09/30(日)18:08:01 ID:lxZ()
今のところは以上です。ここまでがプロローグ扱いで次から本編に入りますが、一番最初に書いた通り、まだ書いている途中でもう書き溜めがないので、続きはしばらくお待ちください。
13名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)18:07:58 ID:uOl
期待
14名無しさん@おーぷん :2018/10/04(木)17:04:40 ID:OuY()
〜〜1話 Until next time!〜〜
15名無しさん@おーぷん :2018/10/04(木)17:04:48 ID:OuY()
--スピカプロダクション前

P(スピカプロダクションもようやく始動だ!。まずは未来のアイドルをスカウトしなくては。とりあえず繁華街にでも行ってみるか...)テクテク

P(おっ、あの娘とかいいんじゃないか?クールビューティって感じでアイドルになったらおもしろそうだぞ)

P「あの、すいません。私スピカプロダクションのプロデューサーをしているPという者です。君、アイドルに興味はないかな?」

モブ子「スピカプロダクション?何それ、聞いたことない。どうせ何かのキャッチでしょ?私急いでるから他の人当たってよ」

P「あっ、ちょっと...」

P(そうか、デレプロと違って認知度が無いからただでさえ怪しいスカウトがより怪しく見えてしまうのか...。誠意を見せて信用してもらわないといけないな...)
16名無しさん@おーぷん :2018/10/04(木)17:05:19 ID:OuY()
--数日後、スピカプロダクション
P「ただ今戻りました...」

ちひろ「おかえりなさい。スカウトは...今日もダメだったんですね...」

P「はい。どうしても怪しまれちゃって...。最初は乗り気でも、まだ所属アイドルがいないって言うと、途端に警戒し始める子が多いですね...」

ちひろ「やっぱりそうですか...。無名プロダクションだとスカウトも一苦労ですね」

P「何日も繁華街に行ってたらちょっと不審者扱いされるようになったので、明日からは少し違うところに行ってみたいと思います」

ちひろ「分かりました。警察呼ばれないように気をつけて下さいね」

P「分かってますよ。そういえばちひろさん、オーディションの応募ってありましたか?」

ちひろ「今日も0です。ホームページの閲覧数は少しあるんですけど...」

P「こっちもダメですか...」

ちひろ「明日、明後日とPさんはお休みですし、事務仕事もほとんど終わったので、私も少し外に出てスカウトしてみますね」

P「お願いします。女性とはいえ、やっぱり怪しまれるでしょうけど、頑張ってください。」

ちひろ「そういえばPさんが2連休取るなんて珍しいですね。何か用事でもあるんですか?」

P「高校時代の友達が奈良に転勤になったんですけど、その引越しの手伝いですね。終わったらそのまま奈良まで行ってプチ同窓会です。お土産買ってくるので楽しみにしててください」

ちひろ「そうなんですか。楽しんできてください」
17名無しさん@おーぷん :2018/10/04(木)18:03:46 ID:OuY()
書き込みが吸われて反映されません。対策調べてきます。更新はもう少しお待ち下さい。おーぷん初心者なので今後もこういうことがあるかもしれません。
18名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:07:49 ID:Ki6()
--翌々日、奈良県
P(昨日は楽しかったな、あいつら俺がクビになったって言ったらスピプロの応援してくれるって言ってたし、やっぱ持つべきものは友達だよなぁ。やることもないし、いつでも帰れるけどせっかく奈良まで来てそれもつまらないし、ちひろさんにお土産買わなきゃいけないし、少し散歩するか)

P(とりあえず奈良公園にでも行ってみよう)テクテク 
19名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:08:29 ID:Ki6()
--奈良公園
P(もっと少ないものだと思ってたけど、すごい鹿の数だな。なんとなく鹿せんべいなんて買っちゃったけど、迂闊に出したら凄い勢いで囲まれそうだ)

??「し、鹿さん!スカートひっぱっちゃダメです~!あぁ、こっちにも鹿さんがぁ~!はぅわわ!助けてくださいぃ~!」

P「...あの娘、大変そうだな。どうせ勢いで買っただけだし、鹿せんべいで助けてやるか」ポイッ

鹿「」ドドドドド

??「あ、ありがとうございます〜。でも、あなたの鹿せんべい無くなっちゃいましたね...。あっ、あのっ!私もう1つ買ってきますから、ちょっとここで待っててください!」タッタッタッ

P「いいよ、わざわざ...ってもう行っちゃっ...」ドンガラガッシャ-ン

??「ふ、ふぇぇ〜。また転んじゃいました〜っ!」

P「おいおい、大丈夫か?」

??「あっ、すみません〜。もうっ、歌鈴のばかっ」

P(なんだか変わった子だな...)

P「君は歌鈴って名前なのか。苗字は何ていうんだ?」

歌鈴「道明寺っていいますっ。えっと、あなたはどなたですか?」

P「俺はPだ。東京でアイドルのプロデューサーをしてる。そんなことより、怪我はないか?結構派手に転んでたけど...」

歌鈴「だ、大丈夫ですっ!いつものことなのでっ!」

P(あれがいつものことなのか...)
20名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:08:54 ID:Ki6()
歌鈴「それじゃあ買ってきますね。今度は転ばないようにゆっくりと...」

P「鹿せんべいはいいよ。俺もそこまで欲しかった訳じゃなかったからな」

歌鈴「そうなんですか?ならいいんですけど...。そ、そういえばPさんは奈良に何しにきたんですか?もしかしてお仕事!?そしたらこの近くにアイドルが!?」

P「残念ながらプライベートだな。用があってこっちにきたんだが、そのまま帰るのもつまらないからちょっと散歩してたんだ」

歌鈴「そっか...そうですよねっ!そんな簡単に有名人に会えるわけないですよね!もうっ、はやとちりしちゃって...」

歌鈴「あっ、そうだ!散歩してたんだったら、うちの神社に来ないですか?あまり大きくないですけど、鹿せんべいのお詫びもしたいですし...」

P「お詫びなんていいよ。それよりうちの神社?歌鈴の実家は神社なのか?」

歌鈴「はいっ!お父さんが宮司をやってて、私も一応巫女をやってるんですっ!ドジばっかなんですけど...」

P「へぇ、面白そうだな。じゃあ案内してくれないか?」

歌鈴「はいっ!こっちですよ!」ガッシャ-ン

歌鈴「ひゃああああっ!」

P(本当にいつものことなんだな...)
21名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:09:21 ID:Ki6()
--歌鈴の実家の神社
歌鈴「ここがうちの神社です〜。今お父さんを呼んできますからちょっとここで待っててくださいっ!」タッタッタッ

P(...よし、今度は転ばなかったな。それにしても彼女、危なっかしいけどなぜか応援したくなる子だな。巫女さんの経歴も目立つし、もしかしたらアイドル向いてるんじゃないか?)

P(帰るのはもう少し後にして彼女をもう少し知っておくか)

歌鈴父「あなたが歌鈴を助けてくれたPさんかな?いつもこいつはドジしてばかりで...。迷惑ではありませんでしたか?」

P「大丈夫ですよ。それより彼女怪我はありませんでしたか?かなり派手に転んでましたけど...」

歌鈴父「いつものことですから。うちの歌鈴は誰よりも危なっかしいのに、ほとんど怪我をしないんです」

P「彼女もいつものことと言っていましたがそんなによくあることなんですか?」

歌鈴「はいっ!1日に5回くらいは転んでますっ!今日はさっきまで1回も転んでなかったんでふっ...あぅぅ〜」

歌鈴父「今のもいつものです。緊張したりするとなんでもないところで噛んだりするんです」

P(滑舌に難ありか、ちょっと厳しいな...いや、彼女のキャラクターならそれもいっそプラス要素になるか...?)
22名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:09:52 ID:Ki6()
歌鈴父「巫女である以上はもう少し落ち着いてもらいたいんですけど、なかなかそうはいかないんですよね」

歌鈴「私も最近は境内では落ち着いていようと思ってるんです〜。それで転ぶことも少し減ったんですよっ!」

P「さっきは2回も転んでたけど...」

歌鈴「はわっ、そ、それは境内じゃなかったので...」

P「1日5回くらい転ぶとも...」

歌鈴「あっ...ふぇぇ...」

P「なんて、冗談だよ。いいじゃないか、ドジでも。個性的で素敵だと思うぞ」

歌鈴父「そう言ってもらえるとありがたいです」

歌鈴父「ただ、こう見えて歌鈴は努力家なところがありまして、苦手な巫女舞を克服するために私の制止も聞かずに1日中修行していたこともあるんですよ」

歌鈴「もう、お父さん!恥ずかしいからやめてよっ!」

P(努力家か...。人よりもドジが多いからやらざるを得ないという側面もあるだろうが、それでも努力できるのは長所だな。...よし!本人の意思は分からないけどスカウトしてみるか!)

歌鈴父「ちょっと話しすぎましたね。あまり広くないですが、ゆっくりしていってください。私はここで結婚式を挙げる人との相談があるので失礼しますが、歌鈴が案内しますので」

P「お時間取らせてすいませんでした。お言葉に甘えて少し見物してきます」
23名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:10:26 ID:Ki6()
歌鈴「それじゃあとりあえず本殿に行きましょう!」テクテク

P「悪いな、案内までしてもらって」

歌鈴「いいんですよっ!参拝客のおもてなしも立派な巫女の仕事ですから!」

P「歌鈴は巫女の仕事が好きなんだな」

歌鈴「はいっ!最初はミスばっかりだったんですけど、少しづつできるようになって、最近ではお父さんも褒めてくれるようになったんですよっ!」

P「そうか...。巫女の仕事が好きなんだな。それじゃあ辞めたくないよな...。実はアイドルしに東京に来ないかって聞こうと思ってたんだけど...」

歌鈴「えええええっ!?それって、も、もしかしてスカウトですか!?いや、そんな、あ、あり得ないですよぉっ!」

P「どうしてあり得ないんだ?魅力的な性格で努力家。向いてると思ったんだけど...」

歌鈴「だって私ドジだし、噛んじゃうことも多いし、想像できないですよ〜!」

P「確かに歌鈴は完璧なパフォーマンスをするのはかなり難しいだろうな。でも、完璧だけがアイドルの完成形じゃない」

P「ファンの前で何かをやって、満足して帰ってもらう。それが出来ればドジがあろうがなかろうがそれは最高のパフォーマンスなんだ。もちろんドジを減らすのも大事だけどな」

P「歌鈴の場合、それを含むことで、最高のパフォーマンスになると俺は思ったんだ」

P「それに巫女の仕事も最初は上手くできなくても今は褒められるまでになったんだろ?その努力という才能があればなんでもできるんじゃないかな?」

歌鈴「あ、ありがとうこざいます〜。でも、私には巫女のお仕事がありますし、東京になんて行けないですよ...」

P「ああ、だから俺は強制するつもりはない。巫女を続けたいなら続ければいいし、アイドルやりたければ連絡くれたらいつでも歓迎だ」

P「とりあえず名刺を渡しておくから、気になることがあったら連絡してくれ。とりあえず今日のところは帰るよ」

歌鈴「じ、じゃあ駅まで送って行きますよっ。Pさん道分からないですよね?」

P「携帯で調べられるからいいよ。それよりお父さんの手伝いをした方がいいんじゃないか?」

歌鈴「大丈夫ならいいんですけど...」

P「大丈夫だって。まだ明るいから道もわかりやすいし」

P「それじゃあな。またどこかで会えたらいいな」

歌鈴「そうですねっ。また会いましょうっ!」
24名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:10:47 ID:Ki6()
--帰りの新幹線
P(アイドルに対する興味は無いわけではないみたいだったけど、流石に巫女やめて東京に来ることはないだろうな。今までかなり頑張ってきただろうし...)

P(残念だけど、落ち込んでいても仕方がないか。明日からまたスカウト頑張ろう)

P(そういえば何か忘れてるような気がするな...)
25名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:11:12 ID:Ki6()
--スピカプロダクション
ちひろ(そろそろPさんは帰って来てる頃でしょうか。お土産は何を買ってきてるんでしょう、楽しみです)
26名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:11:33 ID:Ki6()
--翌日、スピカプロダクション前
P(まずい、よりにもよってお土産を忘れるなんて...。ちひろさんこういうのは厳しそうなんだよな...ここは覚悟を決めて謝るしかないか!)ガチャ

P「おはようございます!すいませんちひろさ...」

ちひろ「あっ、やっと来ましたねPさん!やりましたよ!オーディションの応募が2件きてます!履歴書を見ただけですがなかなかの逸材だと思いますよ!」

P「えっ!?本当ですか?見せてください!」

P「...確かにこの二人はいいアイドルになれそうですね。じゃあ早速連絡します!えっと、電話番号は...」ピンポ-ン

ちひろ「お客さんですか。私が対応するので電話しててください」

P「お願いします」
27名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:12:00 ID:Ki6()
--数分後
P「よし、オーディションの日程も決まったし、あとは実際に会ってからだな」

P「それにしてもちひろさん遅いな。様子を見てくるか」ガチャ

ちひろ「あっ、Pさん!電話終わったんですね!それにしてもPさん、先に言ってくださいよ!いつのまにかスカウト成功してたなんて!」

P「はい?今までスカウト成功したことなんて一回も無いですけ...ど...えっ!?」

歌鈴「こんにちはPさんっ!また会えましたねっ!これからよろしくお願いしますっ!」
28名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:13:07 ID:Ki6()
〜〜Until next time!完〜〜
29名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)00:16:14 ID:Ki6()
読んでいただき、ありがとうございました。結局吸い込まれた原因は分かりませんでしたが、時間を置いてやってみたらできました。
というわけでスカウト編1話完結です。今回は歌鈴一人だけでしたが、次回からは二人ずつ事務所に加入していきます。
30名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:40:15 ID:fA1()
〜〜2話 Make up your mind〜〜
31名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:41:13 ID:fA1()
--スピカプロダクション
歌鈴「こんにちはPさんっ!また会えましたねっ!これからよろしくお願いしますっ!」

P「歌鈴じゃないか!どうしてここに?これからよろしくって...まさか!」

歌鈴「はいっ!アイドルになるために来ました!」

P「でも、巫女の仕事はどうしたんだ?」

歌鈴「あの後、お父さんに相談したんです!そうしたらお父さんが東京の知り合いの神主さんに連絡してくれて、住み込み修行も兼ねて上京させてくれたんですっ!」

歌鈴「アイドルと巫女、両方やるのは大変かもしれないですけど、それでもいいですか?」

P「ああ、大歓迎だ!そのかわり、どっちも本気でやるんだぞ。あと、キツくなったら必ず教えてくれ。日程とかは出来るだけ調整する。倒れられたらお父さんに申し訳ないからな」

ちひろ「ちょっと、Pさん、私を置いて話を進めないで下さいよ!」

P「あっ、すいません。つい興奮しちゃって...」

P「実は奈良に行った時に1回会ってるんです。その時にスカウトしたんですけど、巫女さんの仕事をしてたから厳しいと思って諦めて帰っちゃったんです」

ちひろ「なるほど、そういうことだったんですね。私も歓迎しますよ、歌鈴ちゃん」

歌鈴「あ、ありがとうございます〜」

P「改めて、俺はこのスピカプロダクションでプロデューサーをしてるPだ。よろしくな」

ちひろ「私はアシスタントの千川ちひろです。分からないことがあったらとりあえず私に聞いてくれれば大体のことは教えてあげますよ」

歌鈴「ど、道明寺歌鈴でつ!(噛んだ...)

ちひろ(噛んだ...)

P(いつものことだな...)
32名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:42:14 ID:fA1()
ちひろ「そういえば、Pさん、事務所入ってくるときすいませんとか言ってましたけど、どうしたんですか?」

P「あっ...えーっと...奈良のお土産をですね...その、買い忘れてしまいまして...」

ちひろ「えぇー!!奈良漬楽しみにしてたんですけど...」

歌鈴「あ、あの...奈良漬だったら私、待ってますけど...」

P、ちひろ「えっ?」

歌鈴「お父さんがお近づきの印にって持たせてくれたんです。一応老舗のお店のですよ」

ちひろ「あっ!これ有名なところじゃないですか!仕方ないですね、歌鈴ちゃんに免じて今回は許してあげます」

P「はい...次は必ず買ってきます...」

P(後で歌鈴に何かご馳走しないとな...)
33名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:42:34 ID:fA1()
--数日後、スピカプロダクション
ちひろ「今日はオーディションですね。私も行きたいところですが、事務所を入ったばかりの歌鈴ちゃん一人にするわけにはいかないので...」

P「希望者は二人しかいないので俺だけでも大丈夫ですよ。それじゃあ行ってきます」ガチャ
34名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:43:08 ID:fA1()
--事務所近くの喫茶店
P(オーディション希望者は...あのテーブルに座ってる二人かな?)

P「失礼します。自分はスピカプロダクションのプロデューサーですが、オーディション希望の方ですか?」

??「そうよ。私は松山久美子、21歳。アイドルになれればもっとキレイになれると思ったから応募したの」

P「なるほど、分かりました。それではあなたは?」

??「アタシは的場梨沙よ!パパにもっと可愛いって言ってほしくて応募したわ!もちろんアタシをアイドルにしてくれるでしょ?」

P「まあ、それはあと少し話してからで...、まず松山さん、キレイになるためにアイドルをやりたいとのことですが、もう少し詳しくお願いできますか?」

久美子「人に見られるとキレイになるって言うじゃない?アイドルならたくさんの人に見てもらえると思ったのよ」

P「それならアイドルじゃなくてもモデルとか女優でもいいんじゃないですか?」

久美子「ええ、だから他にも色々なオーディションを受けているわ」

P「なるほど。では的場さんにも一つ、あなたががアイドルになりたいのは、お父さんのためだけですか?」

梨沙「当たり前よ!アタシがパパ以外のためになにかするわけないじゃない!」
35名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:43:34 ID:fA1()
P「そうですか...。それでは、二人とも今回は落第です。他の事務所を当たって下さい」

梨沙「ちょっと!どういうこと!?説明してよ!」

P「まず、的場さん、芸能人が活躍するにはファンの応援が不可欠です。もちろん個人的な理由を持っていることは悪いことではないですが、それだけではファンはついてきません」

P「あなたがお父さんに褒められるためにアイドルをやるのは何の問題もありませんが、ファンのことを全く考えていないのはいただけません」

P「それから松山さん、あなたは自分に自信を持っていて、実際素晴らしい才能を持っているんでしょう」

P「しかし、その自信が仇になっています。自分がキレイになるために芸能界に入る。そのために色々なジャンルのオーディションを受けていては、あまりにも印象が悪い」

P「アイドルは立派な仕事です。そのような中途半端な覚悟でやりたいと言われても受け入れられません。一つの業界に絞ってオーディションは受けるべきです」

P「以上が理由です。何かありますか?」

久美子「なによ、そんな理由で落とされなきゃ行けないわけ?いいわ、そんなとこ私から願い下げよ」

梨沙「アタシを落とすなんて分からないオトナね!いいわよ、他の事務所を探すわ!」

P「何もないようですね。それではオーディションは終了です。お疲れ様でした」
36名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:43:56 ID:fA1()
--スピカプロダクション
P「ただ今戻りました」

ちひろ「あっ、Pさん、おかえりなさい。早かったんですね。オーディションはどうでしたか?」

P「二人とも落第です。覚悟が全くできてません」

ちひろ「覚悟ですか?そんなのは事務所に入ってからでもどうにでもなるんじゃないですか?」

P「はい。だから俺に考えがあります。もう少し待っていて下さい」
37名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:44:19 ID:fA1()
--2週間後、スピカプロダクション
ちひろ「Pさん、今日は出張ってことになってますけど、どこに行くんですか?」

P「この前オーディションした二人に会って来ようと思います」

ちひろ「今更ですか?何しに行くんです?」

P「まあ、後で分かりますよ」

ちひろ「Pさんはたまによく分からないことをしますね...」

P「そうですか?でも悪いようにはならないと思うので待っててくださいね」
38名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:44:51 ID:fA1()
--梨沙の家
ピンポ-ン

梨沙父「どちらさまですか?」

P「私はシンデレラプロダクションのPです。的場梨沙さんのお父さんですね?娘さんに少し話があるので呼んでいただけないでしょうか」

梨沙父「シンデレラプロダクション...ああ、この前梨沙がオーディションを受けた事務所ですね。今呼んできます」

梨沙「...何よ。話すことなんてないわ。帰ってよ」

P「残念だけど俺があるんだよ。的場さんのあれからのオーディションの結果を聞こうと思ってたけど、やっぱり思った通りだったみたいだな」

梨沙「思った通りって何よ。分かるなら言ってみなさい!」

P「書類審査は全て合格。実技の審査もまずまず。でも最終面接で毎回落とされる。落第理由も教えてくれないから対策もできない。そんな感じじゃないか?」

梨沙「...何?わざわざ調べてから来たの?悪趣味ね」

P「調べたわけじゃないさ。ただあの時のオーディションで分かったんだよ。君が相当な才能に恵まれいること、そしてアイドルになるための覚悟が全くできていないことをね」

P「才能があるから書類も実技も問題ない。だけど面接ではそれ以外のところが審査される。そうなると君はとことん弱い」

P「俺も君の履歴書を見たときは心が踊ったよ。こんな子が入ったら百人力だと思った。それだけに面接でがっかりしたんだ」
39名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:45:19 ID:fA1()
梨沙「アンタはそうかもしれないけど、他の事務所はそうとは限らないじゃない!理由を言ってこないってことはアタシが悪いんじゃなくて他がもっとすごかっただけなのよ!」

P「落選理由は伝えないのが普通だ。大きな事務所になればなおさらだな」

P「それに、面接までコンスタントに残れるのに一つも合格しないなんてのは精神的な弱点があるとしか考えられないよ」

梨沙「じゃあその弱点ってなんなのよ!」

P「前にも言っただろ、ファンの人を楽しませたいという思いだ。それが無いとどんな才能の持ち主でもアイドルにはなれない」

梨沙「気持ちなんて見えないじゃない!結局適当に言ってるだけでしょ!」

P「本当にそうかな?気持ちは自然に溢れ出るものだ。ここに行けばそれが分かると思うぞ」

梨沙「...高森藍子のソロライブチケット!?しかも今日じゃない!なんでこんなものを!?」

P「まあ、昔のツテでな。興味があるなら行けばいいよ。俺の言ったことが分かると思う」

P「それじゃあ俺は次の仕事があるから失礼するよ。お父さんによろしくな」

梨沙「あっ、ちょっと!...いいのかしら、このチケットすぐに売り切れちゃって入手困難だったはずなんだけど...」
40名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:45:39 ID:fA1()
--久美子の家
ピンポ-ン

久美子「...何しに来たの、あなたに用なんてないんだけど」

P「ハハッ、見事に同じ反応だな。さっき的場さんの家に行ったけど同じことを言われたよ」

P「でも俺には用があるんだよ。あの後オーディションはどうだった?」

久美子「...全部落ちたわ。どこも見る目がないとこばかりね」

P「だから松山さんは不合格になったんだ。自分に自信があるあまり、非を認められていない。俺に言わせれば面接官は相当な目利きだな」

P「オーディションのときも言ったけど、松山さんはアイドルを舐めている。歌も踊りも半端でいい、容姿さえ良ければ誰でもなれると思っているんじゃないか?」

久美子「事実そうじゃないかしら?テレビに出てるアイドルは素人が見ても分かるような初歩的なミスが多い子がほとんどじゃない」

P「確かにそうだ。歌の音程は合わないし、ダンスの動きは小さかったり、周りとずれたりするなんてのは日常茶飯事だ。専門家が見たら酷評の嵐だろうな」
41名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:46:00 ID:fA1()
P「でも、ファンが求めているのはそんなことじゃない。アイドルがミスしながらも一生懸命に努力する姿に惹かれるんだ」

久美子「意味不明ね。完璧なステージを見てこそじゃない。ファンは諦めているのよ。どうせアイドルには完璧なパフォーマンスなんてできないってね」

P「松山さんはアイドルのステージを生で見たことがないでしょう。あったらそんなことは言えないはずだ」

久美子「ええ、ないわ。もっと見るべきものは他にたくさんあるから」

P「それなら今日の夜、ここに来てくれ。違う発見があるはずだ」

久美子「今日の高森藍子ソロライブチケット...ニュースで見たわね。確かすごいレアものって聞いたけど...」

P「俺はもう1枚持ってるから遠慮なく使ってくれ」
42名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:46:23 ID:fA1()
--ライブ会場
久美子「まさかこのチケットが指定席だったなんてね。本当にこんなのもらって良かったのかしら...、あれ?あの子は確か...」

梨沙「あら、松山さんじゃない!まさか松山さんもアイツに言われてここに来たの?」

久美子「ええ、何が言いたいのかよく分からなかったけど、せっかく貰ったから行かないと勿体無いと思ったのよ」

梨沙「アタシも意味が分からなかったわ。まあ、せっかくいい場所なんだし、普通に楽しむわよ!」

久美子「そうね。そろそろ始まりそうだし」
43名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:46:51 ID:fA1()
--数分後
藍子「こんばんは!高森藍子ですっ!今日は私のソロライブに来てくれて、ありがとうございます!」

ワ-ワ-ワ-ワ-!!!

藍子「今日のためにたくさんレッスンしてきました!最後まで観てくれたら嬉しいですっ!」

藍子「そういえば今日の朝、いいことがあったんですっ。緊張して早く起きすぎちゃったのでお散歩に行ったら...」

久美子「なかなか歌い出さないわね...」

P「これが藍子のやり方だからな」

梨沙「うわっ!なによ!いきなり出てきて!」

久美子「これがやり方ってどういうこと?」

P「藍子はそこまで体力がある方じゃないんだ。だからソロのときはトークをわざと多めにしてるんだ」

久美子「そんなの甘えじゃない。体力がないならつければいいのよ」

P「いや、これは戦略なんだ。体力のなさをプラスとして考えて、ゆったりしたMCを楽しんでもらおうとしてるってことだ」

P「ファンも藍子のMCを楽しみにしてるし、歌メインのステージにしては逆に不満が出るだろうな」

P「アイドルは完璧である必要はない。ファンにとって完全な存在であればなんだっていいんだ」
44名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:47:32 ID:fA1()
梨沙「アンタはさっきからファンっていっぱい言ってるけど、そんなにファンが必要なわけ?」

P「ああ、必要だ。まず一つに事務所が困る。ファンがいないとお金が入ってこないからな。でもそれよりも大事なことはモチベーションだな」

P「営業に行っても誰も見向きもせず、時には迷惑がられながら毎日歌えるか?2,3日なら大丈夫だと思うが、人気アイドルになるには何ヶ月も、もしかしたら何年もそれが続くんだ」

P「それでも続けられる人がいるのはファンの応援があるからだと思う。だからファンへの感謝は絶対に忘れてはいけないんだ」

P「藍子のMCを観て伝わってこないか?他愛もない話だけどファンを楽しませたいっていう強い気持ちが」

梨沙「...」

梨沙「さっきは気持ちは見えないなんて言ったけど、確かに感じるわね。これがアイドルなの?」

P「そうだ。それが体力のない藍子が人気アイドルになれた理由だろうな」

久美子「あなたの言いたいことは分かったわ。要するにアイドルやるならファンを第一に考えろってことでしょ。それで今更そんなことを私たちに伝えてどうするのよ。私も的場さんもオーディションは全部落ちたからもう手遅れよ?」

P「アイドルになるにはオーディションに合格する以外にも方法はあるぞ?例えばスカウトとかな」

梨沙「スカウトされるまでなんて待てないわ!アタシはまた違う事務所のオーディションを受けるわよ!」
45名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:47:56 ID:fA1()
P「それは残念だなぁ。せっかくうちの事務所にスカウトしようと思ってたのに」

久美子、梨沙「えっ!?」

P「2人とも今の話でなんとなくアイドルとはどうあるべきかが分かったみたいだしな。あのとき言った落第理由がなくなったんだ。別にスカウトしてもおかしい話じゃないだろう?」

P「なんとなくではまだまだ足りないけど、デビューしたらはっきりと分かってくるさ。それで、スカウトの返事はどうするんだ?小さい事務所だが、全力でサポートするぞ?」

久美子「もしかしてここまで分かってて落第にしたわけ?もし他のところに合格してたらどうするつもりだったの?」

P「それは考えてなかったな。俺は見る目だけは自信があるんだ」

梨沙「なんか手のひらで踊らされてたみたいで悔しいわね...。でも、なかなかやるじゃない!いいわ、アンタの事務所に入ってあげる!そのかわり絶対トップアイドルにしなさいよ!」

P「ああ、的場さんならすぐになれるよ。それで、松山さんはどうする?」

久美子「あなたの話を聞いて分かったの。やっぱり私はアイドルを舐めてたのね。でも今は違う。私、モデルでも、女優でもなく、アイドルがやりたい!」

P「じゃあ決まりだな、このライブ後は時間はあるか?あるなら手続きを始めたいんだけど...」

梨沙「もちろんあるわ!」

久美子「私も大丈夫よ」

P「そうか、じゃあ終わったら事務所まで送るよ。さて、話も済んだことだし、ライブを楽しもうか」
46名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:48:30 ID:fA1()
梨沙「ねぇ、そういえばなんだけど、どうやってこのチケット手に入れたの?しかも3枚も。すごい倍率高かったはずだけど」

P「実は前の事務所で藍子の担当プロデューサーをしてたんだ。今は色々あってクビになったけど、このイベントはその前から決まってたから関係者ってことで何枚かもらったんだよ」

梨沙「へぇ...って、はぁ!?アンタが高森藍子のプロデューサーだった!?そんなの聞いてないわよ!」

P「言ってないからな。でも見る目に自信があるって言ったろ?実績がなかったらそんなこと言えないよ」

梨沙「そんなので気づくわけないでしょ!」

P「ほら、もうすぐ歌に入るから聞こう。いい歌だぞ」

久美子「話を逸らしたわね...」




久美子(でも、見る目があるってのは本当みたい。もしかしたら私もいつかは高森藍子みたいになれるのかな...)
47名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:49:42 ID:fA1()
〜〜Make up your mind完〜〜
48名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)15:54:00 ID:fA1()
読んでいただきありがとうございました。ヴァリサもまつくみさんもすごい嫌な奴になっているなぁと書きながら思いました。不快でしたらすいません。待っている人がいるか分かりませんが、3話まで少々お待ちください。

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